反戦短歌を作ってみた
★ 帝国の設計図にて創られし
帝国(クニ)はみな侵略を生業(ナリワヒ)とす
★ 欧州に規範(ノリ)を求めて造りし国は
帝国の名に恥じぬ侵略行(ギョウ)ズ
★ 帝国と名付けられたる我が国が
侵略するはその発露と知れ
★ あの戦争(イクサ)身に沁(シ)み生きて残りたる
人みな多くを語らずに逝(ユ)く
★ 戦争を知りたる者の数多(アマタ)逝(ユ)き
聖戦語る輩(ヤカラ)増えゐる
★ 戦争の妄念傷を忘れ果て
今その反省を自虐と呼ぶか
★ 敗戦を終戦なりと呼び来しは
災害の如(ゴト)其(ソ)を見しならむ
★ 戦争を災害の如く見しならば
そこに反省は生まれ来らず
★ 二十一歴史に残る馬鹿残し
聖戦語る資格はありや
★ 百万の軍を中華に率い行き
ドンパチするは聖戦なりしや
軍の人事のおぞましきをみよ
ここに旧日本軍の本質を見る
★ 友軍をかくも死地に赴(オモム)かす
将は異邦で何をかせむや
★ 同胞(ハラカラ)の兵さえ死地に赴(オモム)かす
異郷の民の虐殺むべなし
★ 戦前を今より良しと懐く者
辻(ツジ)牟田口(ムタグチ)を忘れしか
★ 今人(イマビト)は辻(ツジ)牟田口(ムタグチ)を知らぬのか
人より兵器崇(アガ)めし輩(ヤカラ)
★ 一人(ヒトタリ)の辻(ツジ)牟田口(ムタグチ)がおりしかば
隠されし同様の輩(ヤカラ)幾千あらむ
★ 靖国は其処(ソコ)で会おうの地にやあれ
浄(キヨ)むる神の一柱(ハシラ)とてなき
★ どの神の御業(ミワザ)によりて英霊を
浄めむとするか靖国の社は
★ 戦場(イクサバ)で死せる御霊(ミタマ)は
荒御霊 四魂乱れし禍津の御霊
★ 戦争(イクサ)にて死せるといえど神ならで
禍津(マガツ)の御霊(ミタマ)になるだけなるを
★ 戦場(イクサバ)で死せる者(ハ)禍津(マガツ)と皆知れば
疾(ト)く鎮(シズ)めして祖霊(ミオヤ)に返すを
★ 天皇の為に戦争(イクサ)で死せる者
神とて祭るを古(イニシヘ)に見ず
★ 古(イニシヘ)は戦争(イクサ)で死せる者を皆
慰霊し祖霊(ミオヤ)に返せしものを
★ 靖国に永久(トワ)に祭らる命より
末と生るる今一度(ヒトタビ)の生
子孫(コマゴ)が遊ぶ故郷の丘
★ 父祖眠り子孫(コマゴ)が遊びおる見えし
小高き丘こそ至福処ならむ
★ 英霊と呼ばれる魂の一々は
神とは呼べぬ未熟の霊なり
★ 幾度も末と生るる生を得て
徳を積むべき未熟の霊なり
★ 未熟なる御霊(ミタマ)英霊と持ち上げて
神となる道閉ざす詐欺なり
ありとは知らね詣でし人は
(作歌 Kei-Mad/麻土恵)